大学入学共通テスト形式の模試などにチャレンジする機会が増えて、数学が難しいと
感じることが多くなってきたのではないでしょうか?
数学が難しいと言われる理由は3つあると思います。
それらをまとめつつ、対策をお教えしましょう。

大学入学共通テストの数学が難しいと言われる3つの理由
思考力・判断力が必要になる
令和 3 年度大学入学者選抜に係る 大学入学共通テスト実施要項には・・・
『大学入学共通テストでは,各教科・科目の特質に応じ,知識・技能のみならず,
思考力・判断力・ 表現力等も重視して評価を行うものとする。』とあります。
~大学入学共通テストが求める数学の思考力・判断力~
変数の値の変化でグラフがどのような変化をするか・・・など、決まった解法で
パターン的に解くのではなく例えば、実際に数値を入れてみてグラフの動きを見る
実験的な手法が必要になります。 つまり、二次試験の考え方に近いといえます。
数学が苦手である人ほど、パターンを覚えて、問題の数をこなして、ギリギリでも
いいから必要な得点を取る・・・これが従来のセンター数学の逃げ方でした。
が、大学入学共通テストではこれが通用しなくなるということです。

日常生活や社会問題がテーマの問題が出題される
日常生活や社会問題とは何でしょうか?
過去に2回実施された試行問題の一部を見てみますと・・・
【平成29年度試行調査】
数学ⅠA では・・・『文化祭で販売するTシャツの価格を,一次関数や二次関数を
活用して活用して決める問題』
数学ⅡBでは・・・『ある薬を定期的に服用したときの有効成分の血中濃度について』
【平成30年度試行調査】
数学ⅠA では・・・『建築基準法に示されている階段の基準から,階段の踏面についての条件を三角比を用いて考察する問題』
数学ⅡBでは・・・『食品の摂取量に関する事象において,不等式の表す領域を活用して二つの変数からなる一次式の最大値・最小値について考察する問題』
日常生活や社会問題を数学的に解釈できるか(抽象化できるか)を問う問題で、
今までのセンター試験では到底、お目にかからなかった問題のオンパレードです。
まさに①で述べた思考力が問われる問題で、問題文を数式化していく過程は・・・
二次試験そのもの といえます。
これに加えて会話文を読みながら論理的・発展的に考えていく問題も出題されてます。
制限時間に全く間に合わない
数学ⅠAは70分、数学ⅡBは60分で試験が実施されます。
制限時間に間に合わない理由は単純です。
『読むべき問題文が多いから』 です。
ここにも大学入学共通テストで問われている大事な力が隠れています。
そう、①で述べた判断力です。
長い長い問題文を数学的に解釈して、数式化していく。
ざっと問題文に目を通しながら数式化に必要な個所を見抜く力が判断力です。
この力なしに、時間内で満足に問題を解ききることは難しくなります。
ここからの対策
・数学の基礎が出来ていない人
■ 計算力 ・・・ 四則演算のスピード。数学が苦手な人ほど暗算する傾向がある。
ペンを動かして『書いて、計算すること』 を意識することが大事。
■ 基本的な解法 ・・・ ”二次関数の頂点を求める = 平方完成する”
という知識が基本的な解法なので、身に付けるには黄色の
チャートを活用する。基本的な解法は暗記と割り切る。
・数学の基礎は出来ている人
■二次試験対策を始める
①で述べたように大学入学共通テストで求められている数学力は、二次試験で
求められている力に近いです。
よって、共通テスト対策だと思って、早期に二次試験対策を開始することが重要です。
解いていく問題集は、自分が志望する国公立大学に見合った問題集を解きましょう。
■制限時間対策は センター過去問 & 模試の活用
従来のセンター試験程度で時間に間に合わないようでは、共通テストが時間内に
解けなくて当然のこと。計算力が最低限のレベルに到達できているのかのチェックも
かねて夏休みなどの、まとまった時間が取れるときに実施しましょう。

誰も経験したことのない試験なので、大学入学共通テスト形式の模試はどんどん受験し
て思考力・判断力の養成や、現状の課題分析に活用しましょう。
実際にどこまでの難易度になるかは、誰にもわかりません。
でも、二次試験で数学を使わない大学は10%強であることを念頭に置けば、
二次対策をさっさと行っていくことは大半の受験生にとってマイナスではありません。
しっかりと対策をしてどのレベルの問題にも対応できる準備を整えていきましょう。