共通テスト対策2024 黒本・青本・緑本の選び方と効率的な使い方

教育(大学入試)
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2年目の大学入学共通テストは予想通りの難化でした。
特に『数学ⅠA』『数学ⅡB』での難化が著しく・・・平均点が数学ⅠAで 19.7点 のダウン
数学ⅡBで 16.9点 のダウンとなり、数学だけで36点近いダウンとなりました。

平均点ダウンの理由は、数学ⅠA・ⅡBともに 【時間が足りなかった】から。
※数学ⅠAでは 「目新しい出題」「思考を要する問題」「煩雑な計算」 が原因です
※数学ⅡBでは 「5ページも問題が増えた(文章量増)」「大量の思考を要する問題」が原因です

他にも英語(リーディング)は共通テスト初年度と比較しておよそ500語増加し、
6000語近い文章が出題されています。
※センター試験の最終年は4000語強ですので、1.5倍の文章量※
高校生の平均的な読解速度が75語/分と言われますので、読むだけで80分必要な分量です。
リーディングの試験時間が80分なので、問題を解く時間は残っていないということになります

故にセンター試験と比べて、明らかにレベルの違う入試になったことで『正しい対策』が
必要なことは明らかです(基礎学力があること前提に共通テスト対策を十分に積む必要があります)
対策としては『過去問による対策』が有用ですが、追試験を含めても4回分しかありませんので
共通テスト対策において『黒本』『青本』『緑本』に頼らざるを得ないというのが実情です。
※大学入学共通テストの初年度第1日程の問題はほぼセンター試験なので実質3回分です※

今回はそれぞれの選び方と効率的な使い方をまとめていきます。

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『黒本』:共通テスト総合問題集(河合塾が作成)

2023共通テスト総合問題集・・・いわゆる黒本と呼ばれる問題集です。
内容は、昨年河合塾で実施された共通テスト模試を収録したオリジナルの問題集となります。

収録されている問題の模試実施時期

・第1回・・・21年度 第1回全統共通テスト模試(2021年 5月実施)
・第2回・・・21年度 第2回全統共通テスト模試(2021年 7~8月実施)
・第3回・・・21年度 第3回全統共通テスト模試(2021年 10月実施)
・第4回・・・21年度 全統プレ共通テスト(2021年 11月実施)
・第5回・・・20年度全統共通テスト高2模試(2020年 1~2月実施)

問題の難易度

問題の難易度としては【 易しい 】といえます。
数学ⅠAを例に取れば、第3~5問の選択問題が文章も短くセンター試験レベルです。
開催時期の関係もあると思いますが、第1~3回は思考を『必要とする問題』が少なく、
共通テスト対策として解くにはオススメはしません。

ただ、第4回、5回は共通テストのテイストが強くなりますので、きちんと復習して2~3回は
解き直してほしいですね。

数学ⅡBにしても、実用的なテーマを問題に盛り込んでいるので共通テストのように見えますが、
『思考や実験を必要とする問題』が少なく、やはり第1~3回は共通テスト対策にはやや厳しいです。

黒本の効率的な使い方

地方の国公立大学や共通テストの配分が大きい大学(教育、看護系)を狙っている人には最適です。
目標とするのは、昨年基準なら『55~65%(65%は言い過ぎかな・・・)』
逆に地方でも筑波・千葉・神戸・広島などの上位大を狙っている人は、黒本は必要ないと思います。
黒本は共通テストレベルへの導入プラスアルファという捉え方で活用しましょう。

              ~ オススメの使い方 ~
①(基礎がある程度固まっていることを前提に)黒本の第1~3回を解いて、解説を読み、
  しっかりと復習 & 解き直しを行う
② ①の過程で苦手な分野・身についていない知識を明らかにし、センター試験の過去問を
  活用して弱点となっている分野を集中して演習を行っていく
  ※目標点数が取れる目処がつけば、センター過去問を通しで解くのもアリ※
③ 黒本の第4回、5回を模試のようにきちんと時間を測って解く
  思考力を要する問題は、しっかりと解説を読んで考え方を吸収する
④ 大学入学共通テストの過去問(昨年の本試・追試 と 一昨年の第2日程)を解く

編集:河合塾
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『青本』:大学入学共通テスト実戦問題集(駿台が作成)

大学入学共通テスト実戦問題集・・・いわゆる青本と呼ばれる問題集です。
2023年度入試版から内容が変更されて、オリジナル問題5回に加えて共通テスト過去問2回分が収録されています。

これは以前までは『共通テスト過去問題集』という別の問題集との2本立てだったのを
1本化するとても大きな変更点といえます。
【掲載問題の”難易度一覧”】など共通テスト過去問題集のいいところも掲載されているので、
以前までの大学入学共通テスト実戦問題集と一線を画すものに仕上がっています。

収録されている問題の模試実施時期

以前までの大学入学共通テスト実戦問題集は出典一覧がありましたが、これがなくなりました。
ただし一部の回に関しては、昨年のものと同じが問題順序を並べ直したものがありました。

第2回・・・2022 第4回 と同じ(2020年度 駿台atama+ 高2共通テスト対策模試・改)
第4回・・・2022 第1回と同じ (2020年度 駿台atama+ プレ共通テスト)

どちらもatama+との共催模試、ベネッセとの共催模試が無いのは大人の事情でしょうか?
はたまた問題の質として再掲載に不適だったのでしょうか?

問題の難易度

問題の難易度としては【 標準~やや難 】といえます。
数学を例に取ると、問題の文章量も多すぎず少なすぎずでよい共通テストの実戦練習になる
思います。会話に沿いながら、問題を深めていく・・・思考力を問う問題も盛り込まれており、
センター試験の延長戦で捉えると高得点が難しい構成になっているのもグッドです。

実用的な内容の問題も取って付けた感が少なく、きちんと作り込まれているのも特徴といえます。

とはいえ、センター試験からはるかに難化した大学入学共通テストを基準に難易度を考えていますから教科書レベルの問題よりも難しい問題が多く掲載されているとも言えます。

青本の効率的な使い方

筑波・千葉・神戸・広島大を志望する人や、旧帝大(東・京大除く)を志望する人で文系、
もしくは数学が苦手な人
には最適な問題集といえます。
目標とするのは、昨年基準なら『65~75%』で、地方の国公立大医学部志望者も対象ですね。
東京大学・京都大学を志望する人は、この問題集もこなしつつもうワンランクレベルを上げて
緑本で難化対策までやることをオススメします。

              ~ オススメの使い方 ~
① 基礎基本はある程度固まっているでしょうから、過去問から取り組みましょう
  時間を計って解き、時間内に解き切れなかったものは時間無制限で解きましょう
  これによって解けなかったものを「時間があれば解ける」「知識・解法が抜けており
  今の自分では解けない」に整理でき、次の対策の礎となります
② ①の過程で苦手な分野・身についていない知識を明らかにした上で、『短期攻略』で
  分野別対策を行い、苦手を解消
し確実に目標得点に近づけます
 ※『短期攻略』は駿台文庫から出版されている問題集です
③ 形式理解と分野別対策を終えたら、5回分の実戦問題集に取り組んでいきます
  解説の読み込みと解き直しは必ず実施しましょう
 ※解説にはポイントをまとめた直前チェック総整理がついており、本番まで活用できます

『緑本』:共通テスト実戦模試(Z会が作成)

共通テスト実戦模試・・・いわゆる緑本と呼ばれる問題集です。
オリジナル模試5回に加えて共通テスト過去問2回分(昨年の本試・追試)が収録されています。

これに加えて、新しく『2023年用共通テスト過去問 英数国』が出版されています。
リーディング、リスニング、数学IA、数学IIB、国語について、共通テスト2022年度の本試・追試も含む各6回分(2022年度本試、2022年度追試、2021年度本試第1日程、2021年度本試第2日程、第2回試行調査、第1回試行調査)が収録されています。
共通テストの傾向をつかみつつ、Z会の丁寧な解答に触れることができる問題集です。

収録されている問題の昨年版との重複

数学ⅠA、ⅡBを例に取ると一部の問題で重複は見られます。
ただし、青本のようにほぼ同じセットという訳ではありません。

例えば・・・数学ⅠAの第2回 大問2[2]& 大問4 は 昨年の 大問2[2]& 大問4 と同じ
               大問3 は 昨年の 第5回の 大問3 と同じ
               大問5 は 昨年の 第3回の 大問5 と同じ

このように全く新しい問題に昨年の問題を組み合わせて作問されています。 

問題の難易度

問題の難易度としては【 やや難 ~ 難 】といえます。
昨年と比較して、掲載問題のレベルは かなり共通テストに近づいた という印象です。
昨年の問題は・・・『超長文の問題』 & 『思考力を要する問題設定』 で試験時間内で解き終わるのは最初から想定していないですか? と思われる問題セットが見られました。
※難化予想でしたし、実際難化したのでこれはこれでありだったのかもしれませんが・・・

今年の問題は数学を例に取ると、問題の文章量が多くなり過ぎないように設問を組み合わせてあり、思考力を要する良問と合わせることで高得点を狙う層でも満足のいく内容だと思います。
実用的な内容の問題は一部作り込まれ過ぎているとも感じますが、旧帝大・医学部を目指す人は
しっかりと取り組んでおきたいレベルですね。

とはいえ、大学入学共通テストの難化を想定した基準で難易度を考えているともいえます。
旧帝大志望でも文系の数学が苦手な人は自信をなくすので、青本までを確実に自分のものにする方が賢明です(得意科目、勝負科目だけ難化対策でやっておくのはまぁアリですかね)

緑本の効率的な使い方

旧帝大・国公立大医学部を志望する人はやっておいて欲しい問題集といえます。
一方で、旧帝大でも北大・名大・九大志望の人や苦手な科目においては不要ともいえます。
東京大学・京都大学、都市圏の国公立大医学部を志望する人はこのレベルまできちんとやり込んであらゆる事態を想定しておきましょう。

              ~ オススメの使い方 ~
① 共通テスト形式の模試受験や、演習の経験が少ない場合は『2023年用共通テスト過去問 
  英数国』で共通テストの特徴や時間の配分への理解を深めましょう

  ※ポイントは部分演習ではなく、きちんと試験時間を設定して通し演習すること
② 理系の人は 国語・地歴公民、文系の人は 理科基礎・地歴公民 の演習量に不安が残る
  場合、青本(大学入学共通テスト実戦問題集 駿台文庫)を活用して演習を積みましょう
③ あらゆる問題への対応力を鍛えるため、5回の実践模試に取り組んでいきます
 ※仕上げとして 『2023年用 共通テスト予想問題パック』で演習しましょう

Z会
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まとめ

大学入試センターが作成した問題も・・・2022年度本試、2022年度追試、2021年度本試第1日程、2021年度本試第2日程、第2回試行調査、第1回試行調査 と6回分と蓄積されてきました。

ここに各予備校から出版されている共通テスト問題集を合わせれば、おおよそ10回分以上の
演習量を確保できるようになりました。

制限時間の厳しさ、解答順序、問題の見切りなど、単純に問題を解くだけではなく自分自身の
戦略を練ることも大切です。
共通テストの過去問で上記のイメージを確立、弱点分野の洗い出しを行い、自身のレベルや
志望大学に合わせて『黒本・青本・緑本』を使い分けていくのが理想です。

目標と乖離がある場合は、丁寧に 黒本⇒青本 と順番通りに進めましょう。
いきなり難しい問題を解いても、学びも少なく時間の無駄です。早くから計画的に進めてください。

共通テスト本番まで2ヶ月もありません。体調に注意して、最後まで走り切ってください。

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