現高2が受験生する、『令和7年度 大学入学共通テスト』から新課程入試となります。
令和4年11月9日に 大学入試センターが「令和7年度試験の問題作成の方向性,試作問題等」を
公表しました。
そこから分かる現行の大学入学共通テストと、新課程での大学入学共通テストの違いについて、
明らかになった4つの大きな変更点をまとめていきます。

大学入学共通テストになってかなり負担が増えたにも関わらず、
さらに分量を増やす方向での変化となります。
この4つの変化をしっかりと理解して、後々に困らないように対策をしていきましょう。
変更点その1:国語の試験時間が80分から90分に変更される
試験時間を変更することで『大問数を増やす』こと が試作問題から明らかになりました。
その結果、現代文3問 + 古文 + 漢文 という編成に変更となります。
これにより、現代文 第1問:45点 第2問:45点 第3問:20点(試作問題より)
古文:45点
漢文:45点
合計:200点 という配点がすでに発表されています
試作問題は 第A問 と 第B問 の2種類が作成されており・・・
第A問は ・・・ 文章による資料が2つ、図が1つ、グラフが3つ で5問を解答します。
第B問は ・・・ 文章によるレポートが1つ、アンケート結果やイラストを含む資料が3つ。
問いの数は4つとなっています。
解いてみれば分かりますが、10分では絶対に終わりません。
早い人でも15分は必要な分量です・・・
『国語はどう勉強すればいいかわからない』と言わず、早めに対策をしていくことが肝心です。

古文と漢文の勉強を早く始めて、共通テスト形式の演習を積むことで
古文・漢文の解答時間を短縮するのが近道じゃないかな。。。


■共通テストの国語対策はこうやって取り組もう
国語はなんとなく出来そうだけど、高得点を取ろうと思うとしっかり対策をしないと
難しい科目の一つです。
とくに共通テストになって、安定して高得点を取るのが難しくなっています。
早めに始めたいけど、英数に時間を取られる・・・そんな人も是非、隙間の時間でやれることから
スタートしてください。
以下の記事で勉強の仕方を解説しています。是非参考にしてください。
変更点その2:数学ⅡB が 数学Ⅱ、B、C に変更され試験時間も70分に
新課程の数学Ⅱ、B、Cでは、4分野の選択問題から3問を選択して解答することに
なります。それにともない試験時間も70分と10分延長されます。
現行の共通テストが3分野の選択問題から2問を選択して60分の試験であることから、
大問が1つ増えて10分試験時間が伸びるということです。

現行の共通テストでも、大半の受験生が選択問題を10分では解けません。
つまり、今以上に試験時間内で全問を解き切ることが難しくなるといえます。
ただでさえ学習する分野が1つ増えて学習負担が大きくなるのに、時間内で解き切るための
演習にも多くの時間が必要になります。
このことからも早い受験勉強の開始がプラスに働くといえます。
新課程の「数学B」は【数列】【統計的な推測】の2分野を学習し、
新課程の「数学C」は【ベクトル】【平面の曲線と複素数平面】の2分野を学習します。
この4分野から3問の選択ですが、数学C の【平面の曲線と複素数平面】が現行課程では数学Ⅲの
内容ですので・・・
■ 文系は『【数列】【統計的な推測】【ベクトル】』
■ 理系は『【数列】【ベクトル】【平面の曲線と複素数平面】』
このパターンの選択をする生徒が多くなるのではないかと予想されます。
が、理系はこの安易な考えが事故のもとになりかねません。
発表された 平面の曲線と複素数平面 の問題をみていただければ明らかです、、、
こんな問題、10分で解けるわけないでしょう!!!
そもそも 平面の曲線と複素数平面 を誘導形式の問題にすることに無理があると思います。
大人しく 二次試験 や 私立入試 に任せておけばいいものを・・・。
理系を志す、高2生は 【統計的な推測】 の学習を手抜かりなくやり切りましょう。
文系と同じ土俵で 共通テスト 数学ⅡB は戦った方が賢明ですよ。



変更点その3:情報の試験を新たに実施
試験時間は60分。出題科目は『情報Ⅰ』です。
すでに大半の国立大学で入試科目として課すことが発表されています。
そして、試作問題の内容を見てみると・・・
『情報デザイン』 、『プログラミング』 、 『データサイエンス』 を問う問題構成で、
プログラミング や データサイエンス の経験が有利になる可能性が十分にあります。
ちなみに・・・試作問題のおよそ半分がプログラミングに関する問題でした。
設問としては 配列 や 条件分岐 や 繰り返し などコードを書く上で重要な考え方が
出題されています。

そろそろプログラミングの勉強を
始めていってもいいと思うよ


『令和7年度共通テストから新たに出題する教科であり、現行の共通テストにおいて対応する
科目を出題していないため、現行の教育課程履修者が学習している「社会と情報」及び
「情報の科学」に対応した試作問題も作成します』と大学入試センターから発表されています。
大学入試センターからの発表 『令和7年度以降の試験に向けた検討について』
このページの中段に
『サンプル問題(『地理総合』,『歴史総合』,『公共』,『情報』)(令和3年3月24日)』
が掲載されています。
変更点その4:地歴公民の科目が大きく変化
地理・歴史・公民は次のように変更されます。
・「地理A」「地理B」→「地理総合、地理探究」に変更
・「日本史A」「日本史B」→「歴史総合、日本史探究」に変更
・「世界史A」「世界史B」→「歴史総合、世界史探究」に変更
・「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理、政治・経済」
→「公共、倫理」「公共、政治・経済」に変更
続いて、出題範囲ですが・・・
・「地理総合、地理探究」は「地理総合」および「地理探究」の内容から出題されます
・「歴史総合、日本史探究」は「歴史総合」(日本史・世界史近現代史の融合分野)および
「日本史探究」の内容から出題されます
・「歴史総合、世界史探究」は「歴史総合」(日本史・世界史近現代史の融合分野)および
「世界史探究」の内容から出題されます
・「公共・倫理」は「公共」および「倫理」の内容から出題されます
・「公共、政治・経済」は「公共」および「政治・経済」の内容から出題されます
「地理歴史・公民」のハイブリット科目「地理総合、歴史総合、公共」が新設されます。
出題範囲は・・・「地理総合」「歴史総合」「公共」の内容から出題されます。
※「地理総合、歴史総合、公共」は3科目のうちいずれか2科目を選択解答
(「地理総合と歴史総合」「地理総合と公共」「歴史総合と公共」のいずれか)

ところで「歴史総合」「地理総合」「公共」ってどんな科目か知ってますか?

まずは「歴史総合」からご説明します。
近現代史を中心に扱いながら、【近代化】【大衆化】【グローバル化】という3つの項目を
学んでいく科目といえ、日本史・世界史という垣根がありません。
とはいえ、世界史・日本史という観点に立つと、それぞれの項目の中でまず広く世界史視点で
学んだ上で日本史視点の学習に入るという教科書の流れになっています。
次に「地理総合」です。
深刻化する地球環境問題や大規模な自然災害が多発するようになり、地図や地理情報システムの
活用が不可欠になりつつあるなかで生まれた科目です。
【地図・GIS(地理情報システム)】【国際理解・国際協力】【防災・地域調査】という
3つの項目を学んでいきます。
最後に「公共」です。
現行科目の「現代社会」に近いといえる科目ですが、思考力・判断力・表現力を養うという点で
視点が異なります。
【公共の扉】【自立した主体として社会に参画する私たち】
【持続可能な社会づくりに参画するために】 という3つの項目を学んでいきます。
サンプル問題は【変更点その3】の終わりにリンクを貼ってます。

まとめ
これからますます進んでいくグローバル化や、ビッグデータ・AIを活用した新たな技術革新など、
今まで不可能と思われていたことが実現する社会でますます大きな変化が生まれていくでしょう。
そんな社会においても自分で考え、答えのない課題に自ら答えを見つける。
そういった人財を生み出すための新課程です。
たしかに現行の共通テストよりも負担が大きくなることが予想されますが、
そのハードルを越える力をつけることに意味があるといえます。
まだまだ不明な点も多いですが、できることからどんどん自分でやっていきましょう。
以上、お読みいただきありがとうございました。
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