コロナ禍の今、学習塾の在り方にも大きな変化が訪れています。
対面授業からオンライン授業への移行が目立ち、新しいサービスがたくさん生まれています。
その中でもオンラインとAIを組み合わせた ”atama+(アタマプラス)” が注目されており、
TVや雑誌でもその名前を聞くことが事が多くなっています。
同時に、多くの塾・予備校が導入を始めており、様々な成果が出てきています。
そこで今回は、話題の ”atama+(アタマプラス)” とは何か?
導入している塾・予備校や、実際に体験させていただいて感じたメリット&デメリットは
何かについてまとめていきます。
既存の学習形態だけでない選択肢が生まれていることを知って、自分に合ったもの・お子様に
あったものを選ぶ一助になれば幸いです。


”atama+(アタマプラス)” って何?
”atama+(アタマプラス)” は、atama plus株式会社が提供しているAIを用いた
学習システムの名称です。
このAIの精度が他の学習ツールとの大きな差であり、多くの予備校や塾が導入している理由と
言えそうです。
具体的には『自分専用カリキュラム』を理解度や、ミスの傾向、自分でも気付いていない弱点など
をAIが把握し、得点UPにつながる部分だけで作成してくれます。
無駄のない効果的な学習カリキュラムこそが ”atama+(アタマプラス)” の特徴といえます。
とはいえ、個別指導と何が違うの?という疑問も当然ながら出てきます。
一言でいうと、『人間のあいまいさが介入しない』ということが一番の違いです。
数学Ⅰの二次関数が苦手と言われれば、個別の先生は数学Ⅰの二次関数のポイントを説明して
問題演習 ⇒ 解説 ⇒ 疑問点のチェック ・・・ という流れになると思います。
が、二次関数が苦手になった本当の原因が中学レベルの比例にあったらどうでしょうか?
そこまで戻って解説する先生は皆無でしょうし、1度の授業で見抜ける先生に当たる確率は
いかほどでしょうか? 加えて、生徒自身もそんなところに原因があると自覚していない
ケースがほとんどだと思います。
これが『人間のあいまいさ』です。
ところが ”atama+(アタマプラス)” のAIは、二次関数が出来ない原因を・・・
二次関数 ⇒ 平方完成とグラフ ⇒ 一次関数の応用 ⇒ 比例 ⇒ 連立方程式の利用 ⇒
方程式の解き方 ⇒ 文字式 とどんどんさかのぼって学習し、解決に導きます。
また、たださかのぼるだけでなく上記の例のように ①何を ②どんな順番で ③どれぐらいの量
こなせばいいのかまで示した上で問題演習を行っていきます。
もちろん、 ”atama+(アタマプラス)” は問題演習をするだけの仕組みではありません。
必要に応じて解説動画による講義も行われます。
つまり、 ”atama+(アタマプラス)” は『診断 ⇆ 講義 ⇆ 演習 ⇆ 復習』を自由自在に
行き来して生徒の学力向上を最短ルートで実現していくツールだといえます。
ちなみにカリキュラムパターンは1億の2036乗通りあるらしいです。
いやはや、もの凄い数字ですね。
たった2週間の学習でセンター数学ⅠAが50.4点伸びたというデータが出ています。
スタート時の点数がどうであれ、非常に高い点数です。
※20点から70点でも2週間の成果としたらもの凄いですよね!
体験して分かった ”atama+(アタマプラス)” が合う人&合わない人
先日、偶然 ”atama+(アタマプラス)” を体験させていただく機会を得たので、
その時に感じたことも含めて書かせていただきます。
まずやってみて一番びっくりしたことは、『本当に1問解くごとに診断される』という点です。
従来のAI系コンテンツに多いのは初期の診断を行って、足りない部分を埋めるパターンで
学力の変化を組み込んだコンテンツではないものが多いです。
数学で実際に間違えてしまった場合は、動画による解説講義を受けるよう指示される場合と、
少し簡単な類題で演習するように指示される場合がありました。
英語では、間違いを連発したために品詞まで戻されました。たしかに、あいまいな部分を
残したまま受験勉強を終えたなぁと反省しつつ真面目に講義と演習を行いました。
自分の弱点やあいまいな部分を見透かされたようで怖さすら感じる体験でした。
このコンテンツを活用して成績が伸びるのは・・・
①定期テスト対策として活用したい人
②苦手な科目を高1・2内容にさかのぼって学習したい人(共通テストレベルまで)
特に苦手な科目の基礎基本を短時間で自分のものにするには最適のコンテンツです。
苦手科目ほど、どこから手をつければいいのか分からないことも多いですし・・・
また苦手になっている原因が遡行学習でしか解決できない場合もあります。
逆にこのコンテンツが合わない人は・・・
①国公立大学の二次試験対策(特に難関大学)をしたい人
②自分を省みず、プライドだけが高い人
国公立大学の二次試験のように記述を伴う解答には対応していないので、
二次試験対策としての活用は難しいと思います。
そして、自分の理解が足りていないにも関わらず『さかのぼっていくこと』に抵抗の
ある人にも向いていません。出来ていないことを突き付けられるのは辛いですが、
それと向き合わないと成績の向上はあり得ません。
”atama+(アタマプラス)” を上手に活用するために忘れてはならないこと
当たり前ですが、『きちんとノートを取ること』です。
紙ベースではないコンテンツは、数学でも落書きのようなメモで、後から見直しても
何を書いているか分からないというケースがあります。
これでは間違った問題の見直しも十分にできず、消化不良を起こすでしょう。
ですので、どの科目でも講義内容だけでなく、解答プロセスを丁寧に残すようにしましょう。
また、中学生の人は新課程となるので大きな変化があります。
より効率のいい勉強が求めらることが予想されますので、上手にAIを活用して欲しいです。
共通テストの新課程での変化は次の記事にまとめています。
”atama+(アタマプラス)” で開講している科目
【中学生】
英語 数学 理科 ※社会は2021年春頃に追加予定
【高校生】
英語 数学 物理 化学 ※生物は2021年春頃に追加予定
ただし、対応している科目は導入塾によって違うようです。
近くに複数の導入塾がある場合は、そのあたりも比較する必要がありそうですね。
”atama+(アタマプラス)” を導入している塾や予備校 と 費用
・栄光の個別ザビ ・英進館 ・M進 ・欧州塾 ・おうみ進学プラザ
・Gakken ・北九州予備校 ・木村塾 ・京進 ・KEC
・練成会グループ個別指導 ・湘南ゼミナール ・城南コベッツ ・城南予備校DUO
・TOMAS ・駿台 ・成基コミュニティグループ ・Z会 ・全教研
・創造学園 ・田中学習会 ・Dialo ・1対1ネッツ ・能力開発センター
・野田塾 ・Hamax ・BrainsGym ・増田塾 ・まつがく
・馬淵教室 ・明光義塾 ・山本塾 ・臨海セミナー ・早稲田スクール
およそ500教室以上の塾・予備校で採用されており、いまもどんどん増えているようです。
特に大手の予備校としては 『駿台予備校』 で導入されています。
駿台予備校 での導入状況
2020年4月より既卒生を対象にした新しいコースで効果を検証した結果、
5月⇒7月の数学模試で前年よりも大幅な学力の伸びを示しました。
この結果を踏まえて、2021年度より導入対象を拡大し、全生徒に提供する予定。


ちなみに受講費用は塾・予備校で違うようですので近隣の校舎にご連絡ください。
【費用例】
①英進館:80分×4回 ¥ 6、600
80分×8回 ¥13、200
※TZクラスの授業料に追加する金額で、その他12回・16回のコースもある
②東京個別・関西個別:月額 1科目あたり ¥3、300
通常の受講料に上記の利用料金が必要になります
集団型の塾や、予備校では『演習ツール』として活用している場合が多いようです。
逆に個別指導の塾では、『先生がコーチとして伴走し、進捗を管理しながら学習を進める』
という活用をしている場合が多く、月当たりの費用に差が出ているようです。
確かに苦手な科目や、今まであまり勉強をしてこなかった人にとっては、
個別塾でしっかりと進捗管理してもらいながら最短で弱点部分をクリアし、集団塾に
合流するなどの使い方ができそうです。
※もちろん ”atama+(アタマプラス)” だけでも共通テストや中堅私大なら十分です
まとめ
AIを用いた学習ツールはたくさんあれど、 ”atama+(アタマプラス)” ほどの仕組みと
精度を持ったものはまだまだ少ないといえます。
苦手な科目が『苦手になった理由』が明らかになるのはある種の快感があります。
苦手な科目があるから、志望大学を変えた方がいいのか・・・
数学が苦手だから、国公立大学を諦めた方がいいのか・・・などの悩みを持つ人は多いです。
でも、諦める前に ”atama+(アタマプラス)” は試してみて欲しいツールです。
やってみないと正直、力になるかどうか判別しにくいツールでもあります。
この記事を読んでくれている人は、何もせずに諦めたくない。何か他に自分に合う勉強の
方法があるのではないか。と模索を続けている前向きな人だと思います。
1%でも可能性があるなら、最後まで諦めず頑張って欲しい。
第一志望校合格を目指して、やれることをすべてやりきってください。
以上、お読みいただきありがとうございました。

